INTERVIEW INTERVIEW

鈴木おさむ、黄帝心仙人

INTERVIEW AlaventaのMiyuが出演。鈴木おさむと黄帝心仙人が語る、作品を通して感じてほしいこととは?

鈴木おさむ、黄帝心仙人

日本と東南アジアを代表するストリートダンサーの共演「DANCE DANCE ASIA–Crossing the Movements 東京公演 2018」が、3月23日(金)~3月25日(日)の3日間、東京芸術劇場 シアターイーストで開催される。

今回のDANCE DANCE ASIA(通称DDA)では、フィリピンからVince Mendoza(ヴィンス・メンドーザ)、日本から黄帝心仙人(こうていせんにん)、そして、インドネシアからHamdi Fabas(ハムディ・ファバス)の3人を演出・振付家として起用、多国籍で構成される気鋭のダンサーたちとともに、多彩な表現力と卓越したテクニック、音楽が融合された3作品が披露される。

その中で、DanceFactは、カンヌ国際広告賞をはじめとして前人未踏の23タイトルを自身が振付・出演したユニクロのTVCMで獲得した気鋭のクリエイター、黄帝心仙人と、様々なジャンルで活躍中の放送作家 鈴木おさむが脚本を担当した作品「宇宙-Space-」に注目。3月1日に新宿村スタジオで行われた公開リハーサルを取材した。

「宇宙-Space-」に出演するキャストは、James Wong (フィリピン)、Miyu (日本)、Pythos Harris(インドネシア)、 You Kaneko (日本)、ZAIHAR(シンガポール)の5人。それぞれダンスのジャンルと価値観が違う5人のダンサーたちは、振付を確認しながらリハーサルを進めていく。

言葉が通じないなか、ダンスやジェスチャーを使って考えや意見交換をする彼らの姿に、改めてダンスは国を超えてコミュニケーションが取れる表現なんだとリアルに教えられる。

さらにこの日は黄帝心仙人が、キャストの表現力を試すためにショパンの「革命」をベースにした音源で、フリースタイルで踊ることをダンサーたちに要求。「出来がよければ、シーンとして使う」という言葉にエンターテイナーとしてのスイッチが入ったダンサーたちは、脚本を担当した鈴木おさむも見守るなか、持てる限りの自己表現をフリースタイルで踊りきっていた。

DanceFactは、公開リハーサル終了後に黄帝心仙人と鈴木おさむにインタビューを敢行。二人が一緒に作品を作ることになった経緯、舞台のみどころやこだわり、キャストの選出ポイントなどを語ってもらった。

ーー今回、鈴木おさむさんと黄帝心仙人さんが一緒に舞台作品を作ることが話題を呼んでいます。どのような経緯で一緒にやることになったのですか?

黄帝心仙人「今、僕は宇宙空間での生活や無重力空間で動くといった、宇宙をテーマにダンスの技術を磨くことにこだわりを持っていて、その時にちょうどこの舞台のお話を頂いたんです。自分が不思議だなって思う宇宙をテーマにしたムーブを舞台で表現したらどうなるんだろうという新しい試みでしたし、自分の中でこの舞台はチャレンジしていきたいと思ったので、脚本もプロの方にお願いしようと思いました。その時に主催のパルコさんに相談させて頂いて、鈴木おさむさんを紹介してもらったのがキッカケです。ご多忙で難しいのではと思ったんですけど、お願いしてみたところ、快くお受けして頂きました」

ーー鈴木さんはオファーされた時どう思いましたか?

鈴木おさむ「驚きましたよ。ダンスの脚本ってどういうことなんだろうって。黄帝心仙人さんは僕のやっている番組に出て頂いたこともあって、その時もダンスに近いことはやっていましたが、あくまでもバラエティでしたし。ダンスの舞台で脚本を書くってどうすればいいのかと思いましたけど、黄帝心仙人さんにお会いして話をするうちに明確になってきて脚本のイメージも浮かびました」

ーーお二人でどういうお話をされたのですか?

鈴木おさむ「宇宙というテーマであることと、黄帝心仙人さんのやりたいこととかですね。宇宙といっても哲学的なことではなくて、無重力という部分を表現したいとのことだったので、黄帝心仙人さんが得意とされているアニメーション的な表現を生かすことになるのかなと。そこにダンスでどんなことができるのかというのをお聞きして、物語のあらすじと構成に組み込んで作りました。あとは、僕の方でこんな物語だったら面白いんじゃないかとか、言葉を喋らなくてもダンスで伝わるんじゃないかという脚本を書いてお渡ししました。黄帝心仙人さんには脚本をインスパイアして舞台を作っていただければ、何をどう変えてもらっても大丈夫ですとお願いしています」

ーー現時点でリハーサルを始めてから1週間程ということで、まだ形を作っている最中だと思いますが、作品を作る上でこだわっているところを教えてください。

黄帝心仙人「作品というよりは、出演するダンサーたちを解放することに一番こだわっています。普段の生活とか、今までのダンス経験とかありますけど、もっと彼らのポテンシャルを引き出したいんです。最初の1週間はダンサーたちに自身の解放をテーマにしてリハーサルに挑んでもらっています。その過程で彼らがベストを尽くせる状況にした後で、素材をみて僕がレシピを考えるというやり方を考えてますね」

ーーダンサーたちのポテンシャルを引き出し切ってから、形を作っていくということですか?

黄帝心仙人「もちろん物語の軸はありますよ。料理のお鍋に例えれば、僕が最初からレシピを決めちゃうと、冷蔵庫からレシピに合わせた明確な素材しか出さなくなります。そうではなくて、冷蔵庫の中にある素材を全部出し切ってから、何が作れるのかという状況でお鍋を作るというイメージなので、今はダンサーのベストを引き出すところに一番こだわってリハーサルしています」

ーー今回、DanceFact公式ダンサーのMiyuを出演ダンサーとして指名されましたが、Miyuを起用した理由を教えてください。

黄帝心仙人「女性ダンサーを誰にしようか話し合いをしていく中で、最初に名前があがったのがMiyuでした。彼女がONPARADEで"スタードラフト会議"に出ていた時に一緒になることもありましたけど、直接的な接点はなかったので気になってはいました。昨年はALMAのHIROさんと一緒に"JUSTE DEBOUT 2017 WORLD FINAL"で優勝して実績も申し分ないですし、こんなに活躍している子がどのくらいのことができるのか。なおかつ可能性をどれだけ引き出せるのかを含めて選ばせてもらいました」

ーー実際にリハーサルで関わってみて、印象はどうですか?

黄帝心仙人「意外と普通の子だなって思いました。あんな大きな世界大会で優勝したりする若い子って、日々垢抜けてちょっと変わっていっちゃう部分もあると思うんですけど、Miyuは素の感じが逆に新鮮ですね。すごくナチュラルなので、演技をした状況を見てみるとか、最大限ナチュラルな部分を引き出すとか、それは音楽によって引き出されるのか、それとも環境によって引き出されるのか。そのスイッチがどこにあるのかはまだわからないですけど、どうすれば彼女が一番輝くのかというのを考えてますし、もっとポテンシャルを引き出せると思ってます。まだ、現状では感情が爆発するところまでは見えてないんですよね。本番ではすべてを引き出したMiyuを観せたいと思います」

ーー公開リハーサルでダンサーたちがフリーで踊るシーンを見た後に、鈴木さんはMiyuのハウスのステップを見て真似していましたが、印象に残りましたか?

鈴木おさむ「やっぱりすごいんだって思いましたよ。あの足技(笑) イメージと違いましたね」

ーー5人とも個性的なダンスを見せてましたが、他にも印象に残ったところはありましたか?

鈴木おさむ「みなさんすごいですよ。インドネシアのPythos Harrisさんとかバネがすごいですよね。こんなダンスもあるんだって驚きました」

ーー今回のダンサーのキャスティングのポイントはあるのですか?

黄帝心仙人「バランスですね。突出した才能を持ったダンサーを集めようと動いたりもしましたけど、最終的に集まったのはバランス感覚のあるダンサーだったんですよ。僕のやりたいことを全員できてほしいですし、ひとつのことは高レベルでできるけど、他はできませんだと困りますしね。今回の5人のダンサーは器用になんでもできるので、僕のイメージに近い表現を観せてくれると思います」

ーー最後に公演を観にくる方々にメッセージをお願いします。

黄帝心仙人「 「宇宙-Space-」は、僕にとってもチャレンジになる舞台です。黄帝心仙人の安定感のある驚きとか、過去のイメージは当然あると思うんですけど、僕がチャレンジしている姿と、選ばれたダンサーが最大限に解放されている姿を観に来てほしいですね」

鈴木おさむ「黄帝心仙人さんのダンスをエンターテイメントにしていく力ってすごいと思います。僕も新しいチャレンジとしてダンス舞台の脚本をやらせてもらいましたけど、自分が出演しない30分の舞台を作り上げるって本当に大変だと思うんですね。自分がやらないからこそ諦める部分もあるだろうし、逆に自分にできないことを伸ばすこともできると思います。新しいチャレンジだから大変ですけど、黄帝心仙人さんが今までやってきたダンスの表現に新しい味付けが加わったものが出来るんじゃないかと期待していますね。セリフのないダンス舞台だからこそ伝わるみんなの青春感も生まれてくると思うので、そこを感じ取ってもらえれば涙を流せる舞台になると思います」

DANCE DANCE ASIA–Crossing the Movements 東京公演2018

公演日程 : 2018年3月23日(金)~3月25日(日)
会場 : 東京芸術劇場 シアターイースト(東京都豊島区西池袋1-8-1)
チケット料金 : 一般3,500円(全席指定・税込)
【チケット発売 / お問い合わせ】
http://www.parco-play.com/

Hilatas<君を導く光>
振付・演出:Vince Mendoza (ヴィンス・メンドーザ)(フィリピン)
振付/演出補佐 ドラマトゥルク:Fabien Prioville(ファビアン・プリオヴィル)(フランス)
出演: Bboy Allen (フィリピン)、Bird (シンガポール)、Khenobu (マレーシア)、松田尚子 (日本)、Rhosam V. Prudenciado Jr. “Sickledsam” (フィリピン)、Salt (インドネシア)

宇宙-Space-
振付・演出:黄帝心仙人(こうていせんにん)(日本)
脚本:鈴木おさむ(日本)
振付補佐:ZAIHAR (シンガポール)

出演:James Wong (フィリピン)、Miyu (日本)、Pythos Harris(インドネシア)、 You Kaneko (日本)、ZAIHAR(シンガポール)

Soul Train
振付・演出:Hamdi Fabas(ハムディ・ファバス)(インドネシア)
振付補佐:Steven Russel(スティーブン・ラッセル)(インドネシア) DJ:DJ Hiroking(日本)
出演:B-boy Cheno(タイ)、KATSUYA(日本)、Le Huu Phuoc(ベトナム)、NOVIE ONE(インドネシア)、TECCHY(日本)

公式ウェブサイト
http://dancedanceasia.com/