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今年は10年目となる節目の大会だった

WDC2018レポート! “世界の強豪たち”が日本に集結! バトラーそれぞれに勝ちたい理由がある

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2018年7月7日・8日の2Days。2on2で行われるストリートダンスバトルの世界大会“WDC(WORLD DANCE COLOSSEUM)2018”が、東京・Zepp DiverCity Tokyoで開催。国内・海外から強豪ダンスバトラーが集結し、そのバトルを一目見ようと多くのオーディエンスが会場に詰めかけた。



10回目という記念すべき節目を迎えたWDCは、今大会から新ジャンルとして"WAACKIN'"を導入。ここ数年で盛り上がりを見せているダンスジャンルがバトルに加わることによりどのような新風が巻き起こるのかにも注目が集まっていた。



日本開催の世界大会として名を馳せている"WDC"で、どんな激戦が繰り広げられたのか? "WDC 2018"のバトルシーンをレポート!

日本の若手BBOY達が見せた感動的なBREAKINバトル!

決勝戦は、中国代表・Chance & Teamを倒した"Issei & Shigekix"と、オランダのゲストバトラー・Hustle Kidzを倒した"GOOD FOOT(YOSHIKI,GEN ROC)"による、日本対決となった。



Issei & Shigekixは、ゲストバトラーとして今大会に出場しており、Isseiは"Red Bull BC One 2017"のチャンピオン、Shigekixはブエノスアイレスユースオリンピックの金メダル候補として世界に名をあげている。

一方のGOOD FOOTは、関東予選を勝ち上がり今大会に出場。その実力の高さからアンダーグラウンドで注目を浴びている。

4人に共通して言えることは高い実力を持ったBBOYということだ。

そして、この二組は年齢も近く、若手BBOYということもあり、これからのBREAKINシーンを作って行く者同士のバトルという背景も作り出していた。



DJ MAR SKIが日本人対決を応援するかのように、日本の歌謡曲を取り入れたブレイクビーツをかけると、GOOD FOOTのGEN ROCが先攻で仕掛ける。一方、Issei & Shigekixはルーティンの後にIseeiがパワームーブを連続でキメて両者一歩も譲らない展開へ。



YOSHIKIがトップロック、フットワーク、パワームーブをバランスよく披露すれば、Shigekixは多彩なパワームーブとステップやフリーズで音と遊ぶムーブを見せるなど、4人がそれぞれバトルを楽しみながら自分たちのムーブを出し合っているのが印象的だった。



それを特に感じさせたのは、Shigekixがパワームーブを失敗してしまったシーンだ。

本来ならクラッシュのジェスチャーを出して相手をディスるのがBREAKINバトルのよく見る光景であるが、GOOD FOOTはクラッシュのジェスチャーを出さずに、逆にShigekixのテンションを上げるためにエールを送っていたのだ。



これこそ日本人らしい一面であり、認め合っている同士が互いを高め合うバトルだと感動さえ覚える瞬間だった。



お互いをリスペクトしながら、激しくぶつかり合ったバトルは、音楽のグルーヴを我が物としてトップロック、フットワーク、パワームーブ、パッションをより濃く出したGOOD FOOTが勝利。

予選を勝ち抜き、ゲストバトラーを立て続けに倒したGOOD FOOTが完全優勝を果たした!

どちらが勝ってもおかしくない大接戦! KIDSを制したのは?

決勝は、日本のKRUMPシーンを築き上げているTwiggz famからの刺客"MissTwiggz & MicroTwiggz"を倒した"GRAB(YU-TO,HA-KUN)"と、"Grand Slam(RIA & HIYORI)"との一戦を制した"MR.jp(Ringo Winbee,MiYU)"の対決となった。

前回、優弥(FORCE ELEMENTS)とのコンビで優勝し、2連覇を目指すMiYUは今年何度も優弥と熱戦を繰り広げたRingo Winbee(エンジェライズ)と組み、昨年に続きエグいHIPHOPとスキルフルなPOPPINでバトルを展開する。

一方のGRABはYU-TOがPOPPIN、HA-KUNがLOCKINというコンビネーションで迎え撃つ。もはや「大人顔負けのダンス」なんていうありきたりな言葉はWDCのKIDSバトルには似合わない。音楽を浴びて仲間と敵のムーブに刺激され、やばいムーブが生まれるというドープなバトルが繰り広げられていた。

MiYUのやんちゃかつドープなムーブや所作に対して、HA-KUNが堅実なLOCKINだけでなくSOULを取り込んだムーブで対抗しグルーヴ感あるバトルを展開。相方のMiYUに刺激されたRingo Winbeeが、エグさもある荒ぶるPOPPINを見せると、負けてたまるかとYU-TOが音ハメを完全にキメるPOPPINで反撃。

どちらが勝ってもおかしくない手に汗握る激戦。4-3の接戦でGRAB(YU-TO,HA-KU)が制した!

世界の壁は高い! アメリカとフランスが激突したHIPHOPバトル



世界の壁の高さを感じさせるHIPHOP。AVID、RUSHBALLといった日本の強豪チームが迎え撃ったが一歩及ばず。決勝はアメリカの"KING CHARLES & PRINCE JRON"と、フランスの"Stalamuerte & Diablo"による海外ゲストバトラー対決となった。



ダンスって国でこんなに違うものなのだろうか。そう思わせてくれたレベルの高い一戦だったように思う。

フランスのStalamuerte & Diabloが、ところどころに出てくるアタック音で盛り上がる音ハメをキメれば、アメリカのKING CHARLES & PRINCEは、音楽のノリに合わせて観客を巻き込むムーブで会場を揺らす。

つまり音楽に対してのダンスのアウトプットやアプローチの仕方が全く違うのだ。全く違うものなのに観客は盛り上がり、ジャッジもそれぞれのムーブに賞賛のリアクションを送る。

ダンスバトルに正解はない。自国で学んだダンスや生き様が反映されたムーブのぶつかり合いとも言えるバトルは、まさに世界大会と呼ぶにふさわしい一戦だった。



得点権を多く持つ2人のHIPHOP専門ジャッジの票が割れる接戦を制したのはフランスのStalamuerte & Diablo。

勝敗がついた後もお互いハグをしながら検討を称え合う姿に観客から暖かい声援が送られた。

WDC初のWACKIN王者に輝いたのは?!

WDC初導入となる"WAACKIN'"。ベスト4では日本、韓国、台湾のバトラーが集結。他のジャンルとは違う華やかなバトル展開が期待されていたが、いい意味でその期待を裏切る名勝負が繰り広げられた。



まず、印象的だったのはベスト4の2試合。なんと全チームがバトル中に扇子やスティック、リボンといった小道具を使用するという異色の展開に。こういった演出もWAACKINの醍醐味のひとつである。

観客の期待を裏切らないジャンルの濃さを見せて決勝に勝ち上がったのは、日本のWACKINを背負う"TOKYO WAACKING SENSATION(Mizuki Flamingo,小幸)"と、エンタメ色が強い韓国の"WIZZARD & Marid"の一戦となった。

ここまでの試合を見る限り、決勝戦も華やかでエンタメ色を感じる濃い戦いが繰り広げられると予想されたが、決勝ではそういった要素は無く、心技体をぶつけ合うバトルに。

小道具や演出はあくまでWAACKINの要素のひとつであり、本流は音楽と踊りをどれだけ体から解き放てるかの勝負なのだと伝えるようなダンスで、TOKYO WAACKING SENSATIONが相手を圧倒する。

ここで韓国に負けてしまえば、自分たちが育ててきたWAACKが意味をなさなくなってしまうと言わんばかりの気迫がダンスから溢れ出していた。

WIZZARD & Maridも自分たちのスタイルを打ち出したが、数歩及ばず。WDC初のWAACKIN’チャンピオンはTOKYO WAACKING SENSATIONに輝いた。

5年前のリベンジなるか?! 世界最高峰のPOPPINバトル

前日のベスト16から名だたる強豪同士の対決が相次いだPOPPIN。ベスト4は"Greenteck & NELSON"、"フォーマーアクション"、"Co-thkoo"、"ATZO&ZOOM"で争われ、フォーマーアクションとGreenteck & NELSONが決勝に駒を進めた。

このカード。実は重要な背景を持っている。Greenteckとフォーマーアクションは"Juste Debout 2013"の決勝で戦ったことがあり、フォーマーアクションは敗北しているのだ。

その時のGreenteckの相方はNESSであったが、大舞台で負けた相手に変わりはない。一筋縄で勝てない相手であり、絶対に倒したい相手と決勝で戦うことになったのだ。

フォーマーアクションは、お互いの踊りを信じてあえてルーティンは使わず、音楽を自身の体に取り込み独自の表現を見せるPOPPINで会場から声援を集める。Greenteck & NELSONは、POPPINだけでなく、様々なダンス要素をPOPPINに取り込みオリジナルムーブに変えるという圧倒的なセンスとスキルを見せつけ、会場から声援を集めていた。

会場が揺れるほど盛り上がりを見せた世界最高峰のバトルは、Greenteck & NELSONが勝利! 強豪をすべてを抑えて王者に輝いた。

自国レペゼンのムーブが飛び交ったLOCKINバトル



決勝は、コンゴ共和国のBANACONGO(CANDYMAN & MANU)と、日米合同チームのHurrikane & Masato(UnorthoDoggz) のゲストバトラー対決に。3つの国が入り混じるバトルはまさに三者三様のLOCKINムーブを展開。

Masatoがベーシックに堅実なムーブを見せれば、相方のHurrikaneは音楽とダンスを本能で楽しむようなアメリカンイズムを感じるムーブで見せる。対するBANACONGOはLOCKIN'にプラスして自国の踊りを取り入れたオリジナリティの高いムーブで対抗していた。

この応酬が4人のダンス魂に火をつけたのか、その後披露されるルーティンではお姫様抱っこやシュートダンスなど枠にとらわれないムーブが飛び交う。心の底からダンスを楽しんでバトルをしていたのが印象的だった。

お互いのレペゼンするスタイルをぶつけ合った戦いは、BANACONGOが勝利。

コンゴ共和国のLOCKIN'を世界大会で見せたいという思いを優勝という形で実現させた!

世界のダンサーを見て、世界のダンサーを知る。WDCならでは熱い戦いが今年も繰り広げられた。

全バトル終了後には"WDC 2019"の開催を発表。さらに"WDC & DanceFact"のタッグで展開していくことが明かされた。

年々進化を見せる"WDC"。早くも来年の展望がどうなるのか楽しみだ。



(取材・文●のざたつ/Photo by May.Nagoya)

《優勝》
【BREAKIN'】 GOOD FOOT(YOSHIKI,GEN ROC)
【HIPHOP】 Stalamuerte & Diablo from FRA
【POPPIN'】 Greenteck & NELSON from CAN/FRA
【LOCKIN'】 BANACONGO(CANDYMAN & MANU) from COD
【WAACKIN'】 TOKYO WAACKING SENSATION(Mizuki Flamingo,小幸)
【KIDS ALL STYLE】 GRAB(YU-TO,HA-KUN)

《BATTLE JUDGE DAY2》
【BREAKIN'】 BoxWon(アメリカ)、STEEZ(日本)、Babylon(日本)
【HIPHOP】 ICEE(フランス)、Rubber band(アメリカ)
【POPPIN'】 prince(フランス)、DINO(中国)
【LOCKIN'】 TONY GOGO(アメリカ)、VOVAN(ロシア)
【WAACKIN'】 MADOKI Na Dame Paris(フランス)、YASCO(日本)
《DJ》
【BREAKIN'】MAR SKI
【HIPHOP】TATSU
【POPPIN'】YOSHIKI
【LOCKIN'】NABE
【WAACKIN'】SATORU
【KIDS ALL STYLE】MIG
《MC》
MC USK

WDC 2018の動画はコチラ
https://www.youtube.com/channel/UCkAbIC9obGidaP4RFE0V1HA

WDC オフィシャルサイト
http://wdcweb.feelin-co.jp/